2004年12月11日
初心者のための一眼レフデジカメ購入案内
<はじめに>
このエントリは、一眼レフデジタルカメラ初心者が、自分=初心者のための検討した、キヤノン製一眼レフデジカメ本体・レンズの購入案内だ。
ちなみにどれくらい初心者かと言うと、EOS Kiss Digital を購入したのは2003年12月下旬で、まだ1年ほど。それまではコンパクトデジカメを使っていた。
またわたしの特徴としては、それほど趣味にお金がかけられないくせに一眼レフデジカメを使いたい、というものがある。Lレンズの購入などもっての他だ。
そんなわたしがどんな本体・アクセサリ・レンズを購入し、これから何を購入したいのか、について書いていきたい。
<購入の観点>
購入の観点は以下の通り。
- 安い
- 軽い
- そこそこ写って使いやすいレンズ
ということで、安くて使える本体、高倍率ズームレンズの組み合わせとなる。とは言うものの高画質というものにも興味があって、それを味わえるようなレンズも使ってみたい。
軽いというのは意外に重要な性能だ。初心者のわたしの場合、あまりに重いとそれを持って出歩くのが億劫になる。ということで、軽さ、もここでは重要視していきたい。
<本体+標準ズームレンズ>
安くて軽い、と言えば当然 EOS Kiss Digital だ。軽さを狙うのならレンズキットを購入したい。ウェルカムキットは2本のレンズの使い分けが難しいと思う。
手軽さを狙う場合は、Kiss Digital 本体のみを購入し、レンズは後ほど紹介する焦点距離18mmからの高倍率ズームのみ、という手もある(高倍率ズーム、の項を参照のこと)。
メーカ | 名称 | 実売価格 | 重量 |
Canon | ![]() | 110,250 | 560g(本体) |
Canon | ![]() | 110,250 | 560g(本体) |
Canon | ![]() | 92,400 | 560g(本体) |
Canon | ![]() | 92,400 | 560g(本体) |
レンズキットのレンズはこれだ。35mm換算で29mmから始まり、一般的なコンパクトデジカメよりも広角が使える。そして190gと軽い。この軽さが最大の武器だ。また値段の割に写りがいいというもっぱらの噂だ。
メーカ | 名称 | 焦点距離換算 | 実売価格 | 重量 |
Canon | ![]() | 29-88 | 24,500(個別購入の場合) | 190 |
<ケース>
Kiss Digital 本体を購入したら併せてケースも購入しておきたい。EF-S18-55mmを購入した場合、Kiss Digital+EF-S18-55mmを収めることのできる専用セミハードケースがキヤノンから出ている。
わたしも持っているが、Kiss Digitalとレンズをこれに入れて、リュックに放り込んで出歩いている。
メーカ | 名称 | 実売価格 |
Canon | ![]() | 4,220 |
とりあえず、レンズキット+ケース、それにあとで紹介する記録メディアがあれば、撮影が可能な装置が揃う。
<記録メディア>
ということで記録メディアだ。まずは 512MB のコンパクトフラッシュをお勧めしたい。
これで十分なのか? というのもあるが、まずはこの程度で様子を見て、容量に不足があるようならば大容量のマイクロドライブを購入すればよいかと思う。マイクロドライブは最近値が急激に下がっている(今までが異常に高すぎた)ので、それもありもうしばらく様子を見たい。
ちなみにこれでどの程度撮れるか、だが、Small Normal では 400枚以上は撮影できる。
参考に、4GB マイクロドライブも掲載する。
メーカ | 名称 | 容量 | 実売価格 |
ハギワラシスコム | ![]() | 512MB | 7,770 |
BUFFALO | ![]() | 4GB | 29,800 |
<レンズ保護用フィルタ>
レンズ保護用フィルタも重要だ。これは文字通りレンズをキズなどから守るものだ。せっかく高いレンズを購入してもキズがついてしまっては台無しだ。必ず揃えておきたい。
フィルタ系 | 対象レンズ | 実売価格 |
![]() | EF-S 18-55mm | 1,260 |
![]() | EF-S 17-85mm IS | 1,680 |
![]() | TAMRON, SIGMA 28-300mm/SIGMA 18-125mm | 1,470 |
ここまで揃えたら、撮影に出かけよう。
<ワンランク上のシステム>
もう少しお金があれば、本体もレンズももう1ランク上を目指すのもいいだろう。こちらは最新のデジタルカメラ、EOS 20D と EF-S17-85mm IS のレンズキットだ。20D は Kiss Digital と比較し、
- 画素数が800万と多い。(Kiss Digital は 600万画素)
- 感度を上げた場合のノイズが少ない。(Kiss Digital もノイズは少なかったがそれ以上)
- 起動時間が0.2秒と格段に速い。(Kiss Digital は3秒程度)
- 連写可能枚数が5コマ/秒で23枚(JPEGの場合)と格段に多い。(Kiss Digital は2.5コマ/秒で4枚)
などの特長がある。
また EF-S17-85mm IS は、EF-S 18-55mm と比較し、
- 手ブレ補正機能である IS がついていて、より遅いシャッター速度でも手ブレしづらい。
- 若干ではあるが、より広角が使える。
- 5倍の高倍率ズーム。
などの特長がある。
ただ、重量を考えた場合にはなかなかに即決はできない。20D本体のみとEF-S18-55mmの組み合わせもあり得るだろう。
メーカ | 名称 | 実売価格 | 重量 |
Canon | ![]() | 248,000 | 685g(本体) |
Canon | ![]() | 198,000 | 685g(本体) |
Canon | ![]() | 175,000 | 685g(本体) |
EF-S17-85 IS Uレンズキットのレンズはこれだ。35mm換算で27mmから始まり、EF-S18-55mmよりも広角が使える。
メーカ | 名称 | 焦点距離換算 | 実売価格 | 重量 |
Canon | ![]() | 27-136 | 65,940(個別購入の場合) | 475g |
<高倍率ズーム>
Kiss Digital+EF-S18-55mm で撮影を続けていると、望遠側が足りなくなってくる。そこで次は高倍率ズームだ。初心者であるわたしの場合はできるだけレンズ交換をしたくないので、できるだけ広角から始まる高倍率ズームがよい。
Kiss Digital レンズキットと組み合わせるのであれば、軽さも考え TAMRON もしくは SIGMA の 28-300mm だ。TAMRON の 28-300mm はわたしも利用している。ただしこのレンズの問題は広角側が28mm(35mmフィルム換算45mm)から始まる点だ。換算45mmではちょっと広角が足りない。従ってどうしても、必要に応じて EF-S18-55mm との切り替えになってしまう。また画質もそれなりだ。
メーカ | 名称 | 焦点距離換算 | 実売価格 | 重量 |
TAMRON | ![]() | 45-480 | 41,000 | 420g |
SIGMA | ![]() | 45-480 | 28,140 | 560g |
Kiss Digital の本体のみと組み合わせるのであれば、ちょっと望遠側は足りないかもしれないが、SIGMA の 18-125mm が有望だ。このレンズは広角側は35mmフィルム換算29mmと EF-S18-55mm と同じ焦点距離から始まり望遠側は換算200mmまでなので、満足できる高倍率ズームだと思う。重量も軽い。これを使うなら、EF-S18-55mm は不要だろう。
今後、TAMRON より 18-200mm のレンズが発売される予定だ。注目したい。
メーカ | 名称 | 焦点距離換算 | 実売価格 | 重量 |
SIGMA | ![]() | 29-200 | 35,500 | 385g |
<三脚>
一眼レフを使うと、三脚が欲しくなってくる。例えば花火撮影や夜景撮影には必須だ。
三脚と言ってもいろいろある。本来三脚は安定性や高さを重視するのだが、わたしのような初心者にとっては立派な三脚では持ち歩くのがおっくうになる。ということで、軽い三脚を選ぶことにした。
このレベルの三脚でも、TAMRON や SIGMA の高倍率ズームつき Kiss Digital 程度ならば問題ない。
メーカ | 名称 | 全高 | 実売価格 | 重量 |
SLIK | ![]() | 1150mm | 4,095 | 580g |
<レリーズ>
三脚を買うと、レリーズも欲しくなってくる。
三脚を使っても、シャッターボタンを押すことにより力が加わってブレることがある。特に長時間シャッターを開けておく必要がある花火撮影などには必須だ。このレリーズにより直接カメラのシャッターボタンを押さずにシャッターを切ることができるようになる。
メーカ | 名称 | 実売価格 |
Canon | ![]() | 2,010 |
<予備バッテリ>
512MB メディアに Small-Normal で撮影すると、メディアが一杯になる前にバッテリが切れる。
デジカメと電池が切れればただの箱、これほど悲しいことはない。Kiss Digital のバッテリは専用リチウムイオンバッテリなので、予め購入しておきたい。
メーカ | 名称 | 実売価格 |
Canon | ![]() | 7,410 |
<CPLフィルタ>
カメラの本を見ていると、風景写真でよく「PLフィルタ」という言葉が出てくる。ここではそのフィルタを紹介する。
これは既に紹介したレンズ保護用フィルタとともによく知られたフィルタだ。理屈は難しいので省くが、要は写真に不必要な反射光を抑えるためのフィルタであると考えればいいだろう。Kenkoのページも参考にしていただきたい。
なお、AFカメラにはCPL(サーキュラーPL)フィルタを使用する。
フィルタ系 | 対象レンズ | 実売価格 |
![]() | EF-S 18-55mm | 2,919 |
![]() | EF-S 17-85mm IS | 4,179 |
<高画質ズームレンズ>
しばらく撮影を続けていると、EF-S18-55mm や TAMRON もしくは SIGMA28-300mm の画質に不満が出てくるかもしれない。もしくは暗(開放F値が大き)くて ISO 感度を上げてもブレた写真を量産してしまい、こういうときのために明るい(開放F値が小さい)レンズが欲しくなってくる。そうなったら危険な領域に入った証拠だ。
何が危険なのかと言うと、そろそろ高価なレンズに食指が動くようになってくる。しかし一眼レフカメラのレンズは高い。レンズの価格でコンパクトデジカメが買えてしまうのは普通で、本体よりも高いものもざらだ。
しかし、お金に糸目をつけずレンズを購入したのでは、このページの「軽く安く」のコンセプトに反してしまう。ということで、ここではそれほど軽くはないものの安いレンズを紹介したい。
どういう対象を撮影するかによってどんな焦点距離のものを購入するかが決まるのだが、ここでは「標準ズーム」「明るい」「安い」をキーワードに選んでみた。
わたしが推薦するのは、わたしが使っているからもあるが、次のレンズだ。値段の割にいい写りをするレンズで、かつそれほど高くもない。重すぎるということもないし、お買い得だと思う。
メーカ | 名称 | 焦点距離換算 | 実売価格 | 重量 |
TAMRON | ![]() | 45-120 | 37,590 | 510g |
<高画質単焦点レンズ>
単焦点レンズはレンズの設計に無理がないだけに画質が高く、画質を重視するにはお奨めだ。かつ画質の割に安価で、明るく、その上軽い。こう書くと良いことずくめのように見えるが焦点距離が決まってしまっていて、コンパクトデジカメのズーム機能に慣れた身には使いづらい。
とは言うものの上で挙げたメリットは捨てがたい。わたしは EF50mmII という単焦点レンズを購入した。この価格から見れば、単焦点がどんなものかをこのレンズで体験する価値はあると思う。ただ35mmフィルム換算で焦点距離が80mmと、ちょっと望遠が効きすぎていて若干使いづらい。
メーカ | 名称 | 焦点距離換算 | 実売価格 | 重量 |
Canon | ![]() | 80 | 9,240 | 130g |
次に、50mm よりも広角の単焦点レンズを紹介したい。焦点距離から言えば、50mm よりもこちらの方が使いやすいと思う。わたしはまだ買っていないのだが、この内の1本くらいは揃えてみたい。
メーカ | 名称 | 焦点距離換算 | 実売価格 | 重量 |
Canon | ![]() | 38 | 38,325 | 270g |
Canon | ![]() | 45 | 29,190 | 185g |
Canon | ![]() | 56 | 32,025 | 210g |
<マクロレンズ>
今まで紹介してきたレンズで撮影をしていると、思いのほか近くの被写体を拡大して撮れない(マクロ撮影ができない)ことに気づく。例えば花を拡大して撮ったり、などだ。
コンパクトデジカメではチューリップのようなマークを出すと花の拡大撮影ができる。一眼レフデジカメにおいてはそれは、マクロ撮影用レンズに変えることで近くの被写体をとても大きく写すことができる。
なおマクロレンズは近くの被写体の撮影専用の特殊なレンズではなく、風景写真なども撮ることができる。
マクロレンズもいろいろあるが、わたしは次のレンズを買いたい。
メーカ | 名称 | 焦点距離換算 | 実売価格 | 重量 |
Canon | ![]() | 168 | 40,950 | 405g |
失礼を承知で1つ教えてください。
実はフィルターもつけないでこれまで撮影してきたのですが(お恥ずかしいです)、もっと青空がきれいに、曇りの時もくっきりと、動いている車の中からもガラス越しで可能な限りきれいに撮りたいなどわがままなことを考えており、サーキュラーPLに興味を持ちました。私の性格からしてフィルターの付け替えなどあまり考えられず、つけっぱなしになると思うのですが、UVやスカイライトではなく、CPLだけ買うとしたら無謀でしょうか。オートフォーカス時にレンズの先が回ってしまうことがCPLに影響しないでしょうか。そもそも皆さんフィルターを付け替えたりされているのでしょうか。また、CPLをつけた場合、レンズキャップはどうなるのでしょうか。別に何か買う必要があるのでしょうか。
この場所にこのような質問を書かせていただくのは大変失礼かと思いますが、周りに聞く人もなく、偶然ではありますがあまりに私の今の気持ちを言い当てておられるものですから、何かしらヒントでもいただけるのではと思い、書き込みさせていただきました。お教えいただければ大変ありがたいです。どうぞよろしくお願いします。
まずわたしも一眼レフカメラに触れて1年ちょっとの初心者ということで、
その点をご了解いただいた上でご覧ください。
ゲスト様お持ちのものは KissDigital のレンズキットということですので、
レンズは 18-55mm と推測して、書きます。
まずフィルターを使わずに撮影を続けられているとのことですが、とりあえ
ず「プロテクター」というレンズを保護するフィルター(?)は使用されるのが
よいかと思います。
こんなものです。
次に「青空をきれいに」ということに関連し、18-55mm 用のフードはお持ちでしょうか?
こんなものです。
ページの説明にあるように、青空が見えるような晴れた日の、不要な太陽光を遮って
くれます。
さて「青空をきれいに」ということですので、ご質問の「CPL」がこの用途には
適しているかと思います。わたしは「UV」「スカイライト」は持っていません。
ということで「プロテクター」は別にして、その他に「CPL」のみまずは買ってみる
のがよいかと思います。
ただしこのフィルターはいつも使える訳ではなく、「晴れた日」「適した太陽・撮影者・
被写体の位置」という条件でのみ、効果を発揮します。ですのでご質問の中にある
「曇りの時」では効果はあまり出ません。「ガラス越し」では、上の条件がうまく
合えば、効果は出るかもしれません。逆に「CPL」は光量を減らしてしまうので
シャッタースピードが遅くなることがあり、動く車からは逆にブレの原因になって
しまうかもしれません。
こう書くとご購入をためらわれるかもしれませんが、「CPL」は必要なフィルターと
思いますし、買ってソンは無いと思います。
「オートフォーカス時にレンズの先が回ってしまう」ですが、これは「CPL」にとっては
ご質問のように大問題で、18-55mm を使用している場合はフォーカスを合わせた後に
「CPL」の調整をする必要があります。18-55mm は安い割りにいいレンズという話です
ので、このあたりは仕方ないのかもしれません。
「フィルターを付け替えたり」するのか、というご質問ですが、わたしの場合は普通は
「プロテクター」を使用していて、晴れの日に撮って歩く場合は「CPL」に換えてそれを
つけたままにします。帰るときや曇ったり暗くなってきたときに「プロテクター」に戻します。
「レンズキャップ」の件ですが、わたしが持っている「CPL」はキャップがつけられません。
しかしケンコーのページによると、このシリーズではキャップもつけられるよう
です。実際に購入されるときにご確認されるのがよいかと思います。
アクセサリーの次にはレンズが欲しくなってくるかと思いますので、ご注意ください・・・
それにしても、ひらけいさんの構図というか、写真のセンスは素晴らしいですね。いつも敬服して見させていただいております。いつか私もと思っております。このサイト続けてくださいね。
はじめまして。
わたしはEOS Kiss Digitalの新しいタイプ(N)もD50も持っていないので、的確なアドバイスは残念ながらできません。
ただ、EOS Kiss Digitalの購入は、2年以上経った今でも正解だったと思っています。
EOS Kiss Digital Nはその後継で旧型EOS Kiss Digitalの欠点も見事に解消され、とてもよいカメラであるということは、はっきりと言えます。
直接の回答にはなりませんが、参考にしていただければと思います。