2004年08月13日
ダムに沈む街、川原湯温泉と吾妻渓谷、JR吾妻線(8/11)
(吾妻渓谷)
JR吾妻線に乗り、ダムの底に沈んでしまう予定の川原湯温泉と吾妻渓谷を訪ね、ついでに終着駅である大前駅まで行ってきた。
なお、紅葉の時期の記録については、吾妻渓谷紅葉紀行をご参照いただきたい。
もともとのきっかけは、鉄道でゆく・日帰り列車の旅(amazon.co.jp)、という本だった。今は学研に合併された立風書房というところの本で、2冊目が学研から出ている。
ちょうど温泉の本で見かけた「大前」「袋倉」という駅がこの本の「消えゆく渓谷美と湯の町を訪ねて」という項にあったので、それなら、と行ってみた訳だ。
この時期は青春18きっぷが使えるので便利だ。ついこの間明野村ひまわりを見に行ったときに使った18きっぷが残っていたので、それを使った。
行程は以下の通りだ。
上野07:50-11:57川原湯温泉
吾妻渓谷観光
「郷土料理ふるさと」で昼食
川原湯温泉「王湯」で入浴
川原湯温泉16:08-16:37大前
とりあえず、ぼーっとする
大前17:03-18:43新前橋
新前橋18:49-20:56上野
(高崎で8分停車なので駅弁を購入)
ちょっと川原湯温泉で列車に乗り遅れてしまったので、本とは違ってしまった。
本の予定では、
小野上温泉下車、小野上村温泉センターで入浴
川原湯温泉下車、吾妻渓谷と温泉街を観光
袋倉で下車、半出来温泉で入浴
ということになっていた。
さて、ちょっと早起きしてJR高崎線で高崎まで向かい、そこからJR吾妻線に乗り換えて川原湯温泉へと向かった。参考にした本によると「小野上温泉」と「袋倉」で温泉に入浴になっていたが、温泉に2度も入ることはないだろう、ということでまず「川原湯温泉」へ行って吾妻渓谷観光に時間を割くことにした。
ちなみにこのJR吾妻線だが、吾妻渓谷は大前行きで向かって左側に広がる。なので、左側の席に座った方がよさそうだ。
駅を降りて大前側へ進んだ左手に「郷土料理ふるさと」や「川原湯温泉」がある。到着は10:54、まだお昼には早いので先に吾妻渓谷を観光することにした(が、これが失敗だった)。
吾妻渓谷には遊歩道がある。とりあえずの観光にはこれを使うのが便利だ。遊歩道の入口は駅を降りて高崎側へ進んだ右手にある。入口には「ようこそ・ダムに沈む川原湯温泉」という大きな看板があり、それが目印になる。(ダムに沈むことは観光資源にはならないと思うのだが)

(ダムに沈む、の看板)
ここで、「ダムに沈む」の説明をしておかないといけない。
吾妻渓谷には「八ツ場(やんば)ダム」という巨大なダムができる予定になっている。これにより、JR吾妻線の川原湯温泉駅、川原湯温泉街、国道145号線の一部、がダムの底に沈む。完成は2010年度と言われている。
参考に、Google で検索して上位に現れるダム反対側のサイトを紹介する。八ツ場ダムを考える会と千葉県自然保護連合にだ。
わたしは北海道で生まれて群馬県に移ってきた。小学校時代に「上毛カルタ(公式のページがないので Google での検索結果)」を習ったが、「や」の札には「耶馬渓しのぐ吾妻峡」と詠われている。ダム建設によりこの札が危機に瀕していると聞くと、寂しくなってくる。
さて、吾妻渓谷だ。コースは駅近くの入口から鹿飛橋までだ。入口の看板によると往復40分とある。がこれを信じてはいけない。とにかく歩きまくって片道で40分かかったので、片道で45分の間違いだろう。わたしは写真を撮りながら歩いたので、往復で2.5時間はかかってしまった。

(左上から、遊歩道の途中から眺める吾妻渓谷、入り口付近に見えるダムのための建築物、滝見橋からの風景、白糸の滝、鹿飛橋からの風景1,2)
入口すぐのところに、「滝見橋」という橋がある。ここからは吾妻渓谷が見渡せ、また「白糸の滝」を見ることができる。
ここから渓谷上の広葉樹林の中を歩くことになる。紅葉の時期はさぞかしきれいだろう。ただ林の中を歩くので、終点の「鹿飛橋」まではほとんど吾妻川を見ることはできない。
途中小さな川らしきものが遊歩道を横切っているのをいくつか見かける。そのうちの1つが地図にも記載のある「栃洞沢」で遊歩道と交わるところで「栃洞の滝」を見ることができるはずだったのだが、この日は水が少なく岩肌が濡れている程度だった。他にも「大曲沢と大曲の滝」や「毒水沢」と交わるので、水量が多いときには水の流れを楽しめると思う。
だからと行って雨の翌日などに来るのは危険だ。足元には広葉樹林の落ち葉が堆積していて、雨の日は足元が滑りやすくなっていると考えられる。
この栃洞沢が吾妻川に合流する地点の少し下流に、先ほどの八ツ場ダムが出来る予定だ。平成16年度はダム本体の工事は行わないらしく、観光に行くなら今しかないのではないだろうか。
しばらく歩くと、右手に妙な形の岩が見える。これが千人窟か仙人窟と呼ばれる奇岩らしい。道から外れるが岩の近くまで行くことができる。
またしばらく歩くと、今度は左手に分かれ道がある。これは「小蓬菜」と呼ばれる場所で見晴台になっている(が、JRによるパンフレットによると「見晴らしはよくない」とあった)。ここで行き止まりなので、景観を楽しんだら先ほどの分かれ道に戻る。
途中、左手にときたま吾妻川が見えるので、それを楽しみながら先を進む。
しばらく歩くと赤い橋が見えてくる。その橋がゴールの「鹿飛橋」だ。ここからは再び吾妻渓谷を見渡せ、また橋の下には布袋岩という岩が見えるらしい(わたしは見忘れた)。
ここがゴールなのだが、せっかくなのでその先の国道まで出てみたい。しばらく歩くと「樽沢隧道」という小さな看板が出ている。そこから線路を見上げると見つかる短いトンネルが樽沢トンネルで、7.2mと日本一短い。ここは八ツ場ダムの下流にあるため水没はしないはずだが、川原湯温泉駅の移動に伴いトンネルは使われなくなるらしい。
そして、同じ道を駅まで戻った。
このとき14時。駅から数分の「郷土料理ふるさと」で昼食を取り14:45の列車に乗り大前へ向かう予定だったのだが乗り遅れてしまった。というのもこのお店、混んでいる上に作りが丁寧なので料理が出てくるまでに時間がかかり、食べ終わったときには発車の時間になっていたのだ。このお店を利用するときには時間に余裕を持ちたい。なおわたしは「ざるうどん」をいただいたが、コシが強くおいしかった。
ということで次の列車は16:08発。それに乗ると「袋倉」の温泉へ行く時間はない。しかしここは温泉街、代わりに川原湯温泉を利用することにした。
次の列車までは1時間以上あるので、まずは川原湯温泉街を歩いてみることにした。川原湯温泉へは「郷土料理ふるさと」横の道を上っていく。駅から800mの距離なので10分強程度歩けば着く。そこに広がるのは鄙びた温泉街だった。平日だったから余計そう感じたのかもしれない。
しばらく歩くと「聖天様(しょうてんさま)」の看板が左手に見える。その聖天様への参道の途中にあるのが「聖天様露天風呂」だ。露天風呂が1つ(つまりは混浴)あるだけなので、入るにはなかなか勇気がいりそうだ(わたしは入らなかった)。無人だが利用料は100円である。その上に聖天様(歓喜天)が祀られているので、お参りして道を戻った。
またしばらく歩くと、右手に「王湯」という共同浴場が見えてくる。ここで入浴することにした。露天風呂と内湯があり、また男女別だ。300円で利用できる。中にロッカーは無いので貴重品は入口で預けるのがいいだろう。わたしは露天風呂を利用したが、緑の中でいいお湯につかれた。ただ大きなアブが飛んでいてその襲撃を受け刺されたようで、腕が痛い。虫を避けつつ内湯でのんびりというのもいいかもしれない。純粋に温泉なのでシャワーや石鹸・シャンプーなどの備えはない。
露天風呂を楽しんだ後は駅へ戻り、大前駅へと向かう。なお大前駅へ行ったのはただ単に終点へ行きたかったからで、他の意味は特に無い。
それにしても吾妻線は沿線に温泉が多い。小野上温泉、川原湯温泉、草津温泉、四万温泉、万座温泉、半出来温泉・嬬恋温泉、他にもいろいろありそうだ。
吾妻線終着駅の大前駅を降りたところにも「嬬恋温泉つまごい館(公式ページが見あたらないのでるるぶ.comで代用)」なる温泉宿がある。日帰り入浴は13:00-17:00までらしい。大前で時間があったら寄ってみてはいかがだろうか。
大前からは吾妻線で新前橋まで出て、高崎線で戻った。たまたま前橋始発上野行きがあったので、新前橋でそれに乗り換えた。高崎では8分時間があったので駅弁を購入し、帰りの車中で「だるま弁当」と「とりめし」を楽しむことができた。
ちょうど温泉の本で見かけた「大前」「袋倉」という駅がこの本の「消えゆく渓谷美と湯の町を訪ねて」という項にあったので、それなら、と行ってみた訳だ。
この時期は青春18きっぷが使えるので便利だ。ついこの間明野村ひまわりを見に行ったときに使った18きっぷが残っていたので、それを使った。
行程は以下の通りだ。
上野07:50-11:57川原湯温泉
吾妻渓谷観光
「郷土料理ふるさと」で昼食
川原湯温泉「王湯」で入浴
川原湯温泉16:08-16:37大前
とりあえず、ぼーっとする
大前17:03-18:43新前橋
新前橋18:49-20:56上野
(高崎で8分停車なので駅弁を購入)
ちょっと川原湯温泉で列車に乗り遅れてしまったので、本とは違ってしまった。
本の予定では、
小野上温泉下車、小野上村温泉センターで入浴
川原湯温泉下車、吾妻渓谷と温泉街を観光
袋倉で下車、半出来温泉で入浴
ということになっていた。
さて、ちょっと早起きしてJR高崎線で高崎まで向かい、そこからJR吾妻線に乗り換えて川原湯温泉へと向かった。参考にした本によると「小野上温泉」と「袋倉」で温泉に入浴になっていたが、温泉に2度も入ることはないだろう、ということでまず「川原湯温泉」へ行って吾妻渓谷観光に時間を割くことにした。
ちなみにこのJR吾妻線だが、吾妻渓谷は大前行きで向かって左側に広がる。なので、左側の席に座った方がよさそうだ。
駅を降りて大前側へ進んだ左手に「郷土料理ふるさと」や「川原湯温泉」がある。到着は10:54、まだお昼には早いので先に吾妻渓谷を観光することにした(が、これが失敗だった)。
吾妻渓谷には遊歩道がある。とりあえずの観光にはこれを使うのが便利だ。遊歩道の入口は駅を降りて高崎側へ進んだ右手にある。入口には「ようこそ・ダムに沈む川原湯温泉」という大きな看板があり、それが目印になる。(ダムに沈むことは観光資源にはならないと思うのだが)

(ダムに沈む、の看板)
ここで、「ダムに沈む」の説明をしておかないといけない。
吾妻渓谷には「八ツ場(やんば)ダム」という巨大なダムができる予定になっている。これにより、JR吾妻線の川原湯温泉駅、川原湯温泉街、国道145号線の一部、がダムの底に沈む。完成は2010年度と言われている。
参考に、Google で検索して上位に現れるダム反対側のサイトを紹介する。八ツ場ダムを考える会と千葉県自然保護連合にだ。
わたしは北海道で生まれて群馬県に移ってきた。小学校時代に「上毛カルタ(公式のページがないので Google での検索結果)」を習ったが、「や」の札には「耶馬渓しのぐ吾妻峡」と詠われている。ダム建設によりこの札が危機に瀕していると聞くと、寂しくなってくる。
さて、吾妻渓谷だ。コースは駅近くの入口から鹿飛橋までだ。入口の看板によると往復40分とある。がこれを信じてはいけない。とにかく歩きまくって片道で40分かかったので、片道で45分の間違いだろう。わたしは写真を撮りながら歩いたので、往復で2.5時間はかかってしまった。

(左上から、遊歩道の途中から眺める吾妻渓谷、入り口付近に見えるダムのための建築物、滝見橋からの風景、白糸の滝、鹿飛橋からの風景1,2)
入口すぐのところに、「滝見橋」という橋がある。ここからは吾妻渓谷が見渡せ、また「白糸の滝」を見ることができる。
ここから渓谷上の広葉樹林の中を歩くことになる。紅葉の時期はさぞかしきれいだろう。ただ林の中を歩くので、終点の「鹿飛橋」まではほとんど吾妻川を見ることはできない。
途中小さな川らしきものが遊歩道を横切っているのをいくつか見かける。そのうちの1つが地図にも記載のある「栃洞沢」で遊歩道と交わるところで「栃洞の滝」を見ることができるはずだったのだが、この日は水が少なく岩肌が濡れている程度だった。他にも「大曲沢と大曲の滝」や「毒水沢」と交わるので、水量が多いときには水の流れを楽しめると思う。
だからと行って雨の翌日などに来るのは危険だ。足元には広葉樹林の落ち葉が堆積していて、雨の日は足元が滑りやすくなっていると考えられる。
この栃洞沢が吾妻川に合流する地点の少し下流に、先ほどの八ツ場ダムが出来る予定だ。平成16年度はダム本体の工事は行わないらしく、観光に行くなら今しかないのではないだろうか。
しばらく歩くと、右手に妙な形の岩が見える。これが千人窟か仙人窟と呼ばれる奇岩らしい。道から外れるが岩の近くまで行くことができる。
またしばらく歩くと、今度は左手に分かれ道がある。これは「小蓬菜」と呼ばれる場所で見晴台になっている(が、JRによるパンフレットによると「見晴らしはよくない」とあった)。ここで行き止まりなので、景観を楽しんだら先ほどの分かれ道に戻る。
途中、左手にときたま吾妻川が見えるので、それを楽しみながら先を進む。
しばらく歩くと赤い橋が見えてくる。その橋がゴールの「鹿飛橋」だ。ここからは再び吾妻渓谷を見渡せ、また橋の下には布袋岩という岩が見えるらしい(わたしは見忘れた)。
ここがゴールなのだが、せっかくなのでその先の国道まで出てみたい。しばらく歩くと「樽沢隧道」という小さな看板が出ている。そこから線路を見上げると見つかる短いトンネルが樽沢トンネルで、7.2mと日本一短い。ここは八ツ場ダムの下流にあるため水没はしないはずだが、川原湯温泉駅の移動に伴いトンネルは使われなくなるらしい。
そして、同じ道を駅まで戻った。
このとき14時。駅から数分の「郷土料理ふるさと」で昼食を取り14:45の列車に乗り大前へ向かう予定だったのだが乗り遅れてしまった。というのもこのお店、混んでいる上に作りが丁寧なので料理が出てくるまでに時間がかかり、食べ終わったときには発車の時間になっていたのだ。このお店を利用するときには時間に余裕を持ちたい。なおわたしは「ざるうどん」をいただいたが、コシが強くおいしかった。
ということで次の列車は16:08発。それに乗ると「袋倉」の温泉へ行く時間はない。しかしここは温泉街、代わりに川原湯温泉を利用することにした。
次の列車までは1時間以上あるので、まずは川原湯温泉街を歩いてみることにした。川原湯温泉へは「郷土料理ふるさと」横の道を上っていく。駅から800mの距離なので10分強程度歩けば着く。そこに広がるのは鄙びた温泉街だった。平日だったから余計そう感じたのかもしれない。
しばらく歩くと「聖天様(しょうてんさま)」の看板が左手に見える。その聖天様への参道の途中にあるのが「聖天様露天風呂」だ。露天風呂が1つ(つまりは混浴)あるだけなので、入るにはなかなか勇気がいりそうだ(わたしは入らなかった)。無人だが利用料は100円である。その上に聖天様(歓喜天)が祀られているので、お参りして道を戻った。
またしばらく歩くと、右手に「王湯」という共同浴場が見えてくる。ここで入浴することにした。露天風呂と内湯があり、また男女別だ。300円で利用できる。中にロッカーは無いので貴重品は入口で預けるのがいいだろう。わたしは露天風呂を利用したが、緑の中でいいお湯につかれた。ただ大きなアブが飛んでいてその襲撃を受け刺されたようで、腕が痛い。虫を避けつつ内湯でのんびりというのもいいかもしれない。純粋に温泉なのでシャワーや石鹸・シャンプーなどの備えはない。
露天風呂を楽しんだ後は駅へ戻り、大前駅へと向かう。なお大前駅へ行ったのはただ単に終点へ行きたかったからで、他の意味は特に無い。
それにしても吾妻線は沿線に温泉が多い。小野上温泉、川原湯温泉、草津温泉、四万温泉、万座温泉、半出来温泉・嬬恋温泉、他にもいろいろありそうだ。
吾妻線終着駅の大前駅を降りたところにも「嬬恋温泉つまごい館(公式ページが見あたらないのでるるぶ.comで代用)」なる温泉宿がある。日帰り入浴は13:00-17:00までらしい。大前で時間があったら寄ってみてはいかがだろうか。
大前からは吾妻線で新前橋まで出て、高崎線で戻った。たまたま前橋始発上野行きがあったので、新前橋でそれに乗り換えた。高崎では8分時間があったので駅弁を購入し、帰りの車中で「だるま弁当」と「とりめし」を楽しむことができた。
Posted by hirakei at 07:58│Comments(0)
│旅行/関東
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